エクストルージョン(MTM)の治療症例(49歳 女性)
エクストルージョン(MTM)により抜歯を回避した症例
※MTM・・・Minor Tooth Movement/部分的な矯正
▼歯茎より下まで虫歯になった保存困難な歯に対し、エクストルージョン(MTM)を実施して抜歯を回避した症例をご紹介します。
初診時の口腔内
歯がしみるとのことでご来院された患者さまです。当該歯はかなり大きな虫歯になっていました。
虫歯の切削・神経の除去
虫歯部分を削り、神経を取り除きました。前歯に近いところは、歯茎より上に歯質が残っていません。このままでは被せ物が安定しないため、保存は困難となります。
エクストルージョンの治療説明
患者さまと相談の結果、歯茎より下に存在する歯質をエクストルージョン(MTM)という矯正処置で引っ張り上げ、歯を保存する計画を立てました。
歯肉下の歯質(黄色線)を、歯茎(赤線)より上に引き上げます。
エクストルージョンの実施
歯根にフックを埋め込み、ゴムの力を利用してゆっくりと引き上げます。
エクストルージョン開始から約1ヵ月後の状態です。
エクストルージョン開始から約2ヵ月後の状態です。歯の提出が確認できます。
エクストルージョン開始から約3ヵ月後の状態です。歯茎より上に十分な歯質を確保できたため、装置を外します。
根管充填
エクストルージョン後、根管にお薬を詰めて封鎖します。レントゲン画像で、根管の先までしっかりと充填できているのが確認できます。
支台構築
土台の歯を整えた後に仮歯を装着し、経過を観察します。
かぶせ物を装着して治療完了
仮歯での経過も良好だったので、最終的なかぶせ物(CAD/CAM冠)を製作し、土台の歯に装着して治療完了です。
年齢/性別 |
49歳/女性 |
治療期間 |
約6ヵ月半 |
治療回数 |
5回 |
治療費 |
エクストルージョン88,000円(税込)+健康保険分 |
リスク/注意点 |
・経年による色調変化が起こります。 ・部分的に過度な力が加わると欠けることがあります。 |
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