歯根端切除術ってなに?|市川市の歯医者|下総中山アール歯科

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歯根端切除術ってなに?

投稿日:2023年8月1日

カテゴリ:スタッフブログ 未分類

皆さんこんちには。歯科医師の前澤です。

 

前回は根っこの治療(根管治療)についてお話させていただきました。

そこで今回は歯根端切除術と言って根管治療を行なったが、治らない根の先の感染源に対して、外科的な処置によりその感染源を取り除く治療法についてお話させていただきます。

虫歯や歯周病が原因で、根管内が感染してしまった場合には、まずは感染した根の中を綺麗にする根管治療を行います。
しかし、根管治療を行っても根の先にできた膿の袋が治らない場合があります。
歯の根っこの先端(側枝)に潜む細菌が原因であったり、根管の形態が非常に複雑で掃除が不可能である場合があります。

その場合は根の先で細菌が繁殖して膿の袋が大きくなってしまいます。この症状は根尖病変といって、状態によっては抜歯が必要になることも少なくありません。
その場合に、歯茎を切って直接悪くなっている根っこの先端を除去し、特殊な薬で根管を閉鎖する歯根端切除術を行うことで抜歯を避けて保存できる可能性があります。

 

①感染により根の先に膿の袋が出来てしまっている状態です。

②根の先端付近の粘膜を切開・剥離し、根尖病変を取り除き根の先を切断して除去します。

③切断して露出した根管内をきれいにし、根の先から薬を入れて封鎖します。

④膿の原因が除去されれば骨は次第に治癒していきます。

 

↑術前のレントゲン写真です。

根の先に大きな膿の袋が出来てしまっており、通常の根管治療をしても治らない状態です。

このまま放置すると膿の袋が大きくなることで骨が溶けてしまい周囲の歯にも影響が出てきます。

抜歯をして膿の袋ごと取ってしまうか、歯根端切除などの外科的な治療が必要になります。

↑これは歯根端切除術を行い約半年後のレントゲン写真です。

膿の袋と原因となっている根っこの先端を除去したことで骨が再生してきています。

周りの歯への影響もなくなり抜歯を避けることができました。

 

歯根端切除術の適応症

・根の先に病気(根尖病巣)があり根管治療後の予後が悪い場合

・根尖病巣がある歯で根の先端まで治療が不可能な場合

・根管充填剤(根の神経の代わりになる薬)が根の先で骨まではみ出ていたり、根管内で器具が折れて根の先に残っている場合や根の先に膿が溜まっている場合

などが適応になります。

 

歯根端切除術が困難な状態

・歯周病により歯の周囲の骨が著しく吸収されて動揺のある場合

・歯根端切除により、根っこの長さが短くなりすぎる場合

・上顎洞や下顎管(神経)が近い場合

などがあります。

 

【メリット】

根管治療で治らなかった場合や、根管治療が出来なかった歯を抜歯せずに残せる可能性があります。

根管治療が適切に行われている場合は被せ物を外さずに治療が出来ます。

 

【デメリット】

歯肉を切開するため術後一時的に歯肉の腫れや痛みが出ることがあります。また、それに伴い治療後に歯肉が下がる場合があります。

器具が届かないところに根っこがある場合は歯根端切除術が出来ない場合があります。

 

当院では歯を残すために患者様に応じて様々な治療法を提案させていただいております。

歯の状態によって出来るかどうか変わってきますのでどうぞお気軽にご相談ください。

 

 

下総中山アール歯科 歯科医師 前澤

 

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