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乳歯の反対咬合とは?小児歯科での治療タイミングと治療方法

投稿日:2025年7月3日

カテゴリ:小児歯科

▼目次

1.小児歯科で診断される乳歯の反対咬合とは?

2.乳歯の反対咬合、小児歯科での治療いつから始める?

3.小児歯科で行う反対咬合の治療方法

4.市川市 下総中山の歯医者 下総中山アール歯科の小児歯科・小児矯正

 

子どもの歯並びに関する悩みの中でも、「乳歯の反対咬合」は早期の対応が重要なもののひとつです。反対咬合とは、いわゆる「受け口」のことで、上の前歯よりも下の前歯が前に出ている状態を指します。この状態が乳歯の段階で見られる場合、自然に治るケースもありますが、注意が必要です。放置してしまうと、永久歯にも悪影響を及ぼし、将来的に大がかりな矯正治療が必要になることもあります。今回は、乳歯の反対咬合の原因や見分け方、治療を始める適切な時期、小児歯科で行われる具体的な治療方法について解説します。

 

1.小児歯科で診断される乳歯の反対咬合とは?

乳歯の反対咬合とは、乳歯が生えそろう幼児期において、上の前歯よりも下の前歯が前に出ている「受け口」の状態のことを指します。これは一見見逃されがちですが、乳歯期の咬み合わせはその後の永久歯列の形成に影響を与えるため、早期発見と適切な対応が非常に重要です。 反対咬合にはいくつかのタイプがあり、原因もさまざまです。

①骨格性の問題

上下のあごの骨の成長バランスに差がある場合、下あごが前に出て反対咬合となることがあります。

➁歯の位置異常

歯の生える角度や位置にずれがあり、下の歯が前に出てしまうケースです。これには哺乳や指しゃぶりなどの癖が関係していることもあります。

➂舌や口唇の筋機能の影響

舌を前に突き出す癖(舌突出癖)や、口を開けたままにする癖(口唇閉鎖不全)なども、反対咬合の一因となることがあります。

④遺伝的要因

両親のどちらか、あるいは双方が受け口だった場合、子どもにも同様の傾向が出る可能性があります。 このように、乳歯の反対咬合は多くの原因が複雑に絡み合っているため、自己判断で経過を見守るのではなく、小児歯科での診断が不可欠です。

 

2.乳歯の反対咬合、小児歯科での治療いつから始める?

乳歯の反対咬合は、自然に治る場合もあれば、放置することで悪化する場合もあります。その見極めとタイミングが、今後の歯並びやあごの成長に大きな影響を与えます。 乳歯反対咬合の治療開始の目安は以下の通りです。

①3~4歳頃に受け口がはっきりしている場合

この時期には乳歯列がほぼ完成しており、受け口が明確であれば自然に治る可能性が低く、治療の対象となります。

➁受け口の傾向が明確で、生活上の不便を感じるような場合

例えば、常に下の歯が前に出ていて上の歯が見えない、または発音や咀嚼に支障をきたしているようであれば、早期の介入が必要です。

➂家族に骨格性の反対咬合がある場合

遺伝的な要因が考えられる場合、より早く小児歯科での評価を受けるべきです。

④保育園や幼稚園の健診で指摘された場合

医師や歯科医師から反対咬合を指摘されたら、その段階で一度小児歯科を受診して状態を確認することが大切です。 早期に診断と治療を行うことで、成長期の骨格の発達を活かしながら、比較的負担の少ない方法での改善が期待されます。特に、永久歯が生えそろう前に適切な対応を取ることで、後の矯正負担も軽減されます。

 

3.小児歯科で行う反対咬合の治療方法

乳歯の反対咬合に対して、小児歯科では成長段階に応じた治療が行われます。目的は、あごのバランスを整え、永久歯が正しく並ぶ土台をつくることです。主な治療方法は以下の通りです。

①プレオルソ(マウスピース型装置)

主に日中や就寝時に装着することで、舌や口唇、頬などの筋機能を整え、歯列やあごの正しい成長を促します。 取り外しが可能で、装着時の痛みや違和感も少なく、4〜10歳頃のお子さまに使用されることが多い治療法です。 反対咬合(受け口)の改善だけでなく、「口呼吸の予防」や「お口ポカンの改善」にもつながることが期待されており、幅広いお口の機能トレーニングを目的に取り入れられています。

➁上顎前方牽引装置(フェイスマスク)

成長期の子どもに使用され、頭や顔に装着して、上あごを前方に引き出す力をかけます。骨格性の反対咬合に対応する治療で、効果を発揮するためには一定の装着時間が必要です。

➂可撤式の矯正装置(プレート)

乳歯から永久歯への生え変わり時期に用いられることが多く、顎の幅を広げたり、歯の並ぶ位置を整えたりする目的で使用されます。取り外しが可能なため、清潔を保ちやすく、快適に使いやすい点も特長です。

④舌や口唇の癖を改善する訓練(MFT:口腔筋機能療法)

舌や口元の筋肉の使い方を正しくするための訓練です。装置による治療と並行して行うことで、より良い効果が期待できます。 治療は一つだけで完結することは少なく、成長に合わせて段階的に進められます。治療内容は歯科医師による診断をもとに決定され、保護者との十分な相談の上で進められるのが一般的です。

 

4.市川市 下総中山の歯医者 下総中山アール歯科の小児歯科・小児矯正

千葉県市川市 下総中山・本八幡の歯医者 下総中山アール歯科では、発育段階にあるお子さんの将来を見据えた小児歯科・小児矯正治療を提供しています。 子どもの心身的な負担に配慮しながら、親御さんのお考えや子どもの成長、口腔内の状態を考慮した適切な治療法のご提案に努めています。

①乳歯(子どもの歯)・生え変わったばかりの永久歯(大人の歯)のむし歯予防

むし歯予防の基本はお家でのセルフケアです。お子さんご自身が正しい歯磨きが行えるようレクチャーを行います。また親御さんへ仕上げ磨きのコツや効果的な歯科用品のアドバイスを行っています。 子どもの歯自体をむし歯菌からバリアするためにフッ素塗布やシーラント充填(奥歯の溝を埋める処置)も行っています。

②正常な成長を促して歯並びを改善する小児の「顎顔面矯正」

顎顔面矯正とは、顎(あご)や顔面の骨格のバランスを整える治療のことです。一般的な歯列矯正が「歯をきれいに並べる」ことを目的とするのに対し、顎顔面矯正は「顎の成長や骨格全体の調和を改善する」ことを目的としています。

《顎顔面矯正の特徴》
1. 骨格レベルでの改善
上顎・下顎の位置や大きさのバランスを整える
歯並びだけでなく、顔の非対称や咬み合わせのズレを改善

2. 成長期の子どもを対象にすることが多い

成長を利用して骨格の発育をコントロールできる
早期治療(5~12歳ごろ)により、抜歯や外科手術のリスクを減らせる

3. 成人にも適応される

顎変形症などの場合は、外科手術(外科的矯正)と併用することが多い
成人矯正ではスプリントや外科矯正を組み合わせることもある

《具体的な治療方法》
・急速拡大装置(RPE):上顎を広げるための装置
・フェイシャルマスク:上顎の前方成長を促す
・機能的矯正装置:下顎の成長を誘導

《顎顔面矯正が適応されるケース》
・上顎または下顎が前後的にずれている(出っ歯・受け口)
・顎が狭く、歯が並ぶスペースがない
・顔の左右非対称が気になる
・咀嚼や発音に問題がある

《顎顔面矯正のメリット・デメリット》
◎メリット
・顔全体のバランスの変化が期待される場合があります
・抜歯を回避できる可能性が高い
・治療の結果、発音や呼吸に良い影響を与えるケースも報告されています

✖ デメリット
・成長期を過ぎると効果が限定的
・矯正期間が長くなる場合がある
・痛みや違和感を伴うことがある

顎顔面矯正は、特に成長期の子どもにとって有効な治療法ですが、成人でも適応できるケースがあります。患者さんの骨格や症状に応じた適切な治療計画が重要です。

③MFT(口腔筋機能療法)

口腔筋機能療法「MFT」(Oral Myofunctional Therapy)とは、食べる(咀嚼)時、飲む(嚥下)時、発音時、呼吸時の舌や口唇の位置の改善を目的とした各種トレーニングです。MFTを継続して行うことで口腔周囲の筋肉バランスを整え、癖を直すことができます。特に指しゃぶりと舌癖は、MFTでの症状改善が期待できます。 当院は小児口腔発達不全学会の認定資格の「口腔機能支援士(ORFS)」の歯科衛生士が在籍し、導入時の指導説明からアクティビティの指導まで正しい知識の元、子どもの発育をサポートしています。

《使用する装置》
プレオルソ矯正:1時間程のトレーニングと就寝時のマウスピース矯正装着で効果が期待できる、子どもにかける負担をなるべく抑えた治療法です。

詳細は以下サイトページをご覧ください。

小児歯科・小児矯正

 

まとめ

乳歯の反対咬合は、成長過程で自然に改善される場合もありますが、多くの場合、早い段階で小児歯科での診断と治療が推奨されます。放置すると骨格や歯並び、発音、見た目などに影響が及ぶため、適切なタイミングでの介入が求められます。ムーシールドやフェイスマスクといった装置の使用、口腔筋機能を整えるトレーニングを通じて、将来の永久歯列に向けたバランスの良い環境づくりが期待されます。 市川市・下総中山周辺で乳歯の反対咬合について、その他全般の小児歯科についてお悩みの方は、下総中山アール歯科までお問い合わせください。

 

監修:下総中山アール歯科 院長 若林 孝宏

略歴

  • 2007年 明海大学歯学部 卒業
  • 神奈川歯科大学臨床研修
  • 某県法人 勤務
  • 某県法人チーフドクター
  • 某県法人副院長
  • 都内法人副院長
  • 2018年 下総中山アール歯科 開業

所属学会・資格

  • 日本歯科医師会
  • 千葉県歯科医師会
  • 市川市歯科医師会
  • 日本顎咬合学会
  • 日本口腔インプラント学会
  • 日本歯周病学会
  • 日本顎関節学会
  • 日本顕微鏡学会
  • 日本メタルフリー学会、他
  • 歯科医師臨床研修 指導医
  • 市川市立新井小学校 校医
  • ペリソルブ・カリソルブ認定医

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