食後の歯磨きのウソほんと
投稿日:2025年7月4日
カテゴリ:むし歯治療
こんにちは。千葉県市川市・下総中山の歯医者「下総中山アール歯科」です。
今回は、むし歯予防にも関わる「食後の歯磨き」についてのお話です。
よく、患者様から聞かれるのが、
「先生、食後すぐに歯を磨くのってよくないんですよね?」
といったご質問です。
答えは「NO」です。
正確には、“条件付きでNO”というのが歯医者としての見解です。
「えー、なんかテレビとかで前に言ってたよ!!」
たしかに、そのように報道された事実もあります。
そもそも
食べた後の口腔内は酸性に傾きます。これは、むし歯の原因菌などの細菌が糖分を栄養にして酸を出すためです。
これは「ステファンカーブ」と呼ばれる現象で、pHが5.5以下になると歯の表面(エナメル質)が溶け出してしまいます。
ただし、唾液の緩衝作用により、通常は約30分後にはお口の中のpHは中性に戻ります。 これが歯の再石灰化を助け、むし歯予防にもつながります。
「食後すぐの歯磨きが良くない」と言われるようになったきっかけは、1900年代にアメリカで行われたある人体実験が元になっています。
もちろん現在は人体実験は禁止されており、再現はされていませんが、この実験では、食後すぐに歯磨きをしたグループと、
30分後に歯磨きをしたグループを比較しました。その結果、食後すぐにブラッシングしたグループは、酸と歯ブラシの摩耗により、歯が多く削れてしまったというデータが出たのです。
この結果が一人歩きし、メディアなどでも「食後の歯磨きはダメ」というイメージが広まりました。
ですが、後に分かったのは「お口の中が酸性に傾いたまま、歯ブラシでブラッシングを行った」という点が問題だったということです。 つまり、酸の影響を受けやすいタイミングでの歯磨きが、歯の表面を削ってしまったのです。
では、どうすればよいのでしょうか?
歯医者としておすすめするのは、まずお水などでしっかりと口をゆすいでから歯を磨くことです。
うがいによってお口の中のpHが中性に近づけば、酸のダメージを避けて歯磨きができます。
時間に余裕がある場合は、もちろん30分ほど待ってからブラッシングしてもOKです。
ですが、どちらにせよ、食後すぐに「ぐちゅぐちゅぺ」だけでもしておくと、むし歯予防に効果的です♪市川市下総中山の歯医者 下総中山アール歯科では歯磨き指導も行っています。 お口のお悩みがある方はご相談ください。
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