虫歯を治療せず放置してしまうリスクについて
投稿日:2025年2月5日
カテゴリ:院長ブログ
こんにちは、下総中山アール歯科院長の若林です
虫歯は、初期の段階では痛みがほとんどなく、日常生活に大きな支障がないことが多いものです。そのため、「少しぐらいなら大丈夫」「忙しくてなかなか歯医者に行けない」といった理由で、虫歯をそのまま放置してしまう方も少なくありません。しかし、虫歯を放置すると、痛みや不快感が増すだけでなく、歯そのものや全身の健康にも深刻な影響を及ぼすリスクがあります。ここでは、虫歯を放置することで生じる主なリスクについて詳しく解説します。
1. 痛みの悪化と生活への影響
虫歯は進行するにつれて、痛みが次第に強くなっていきます。初期の虫歯はエナメル質が少し溶け出す程度で痛みを感じにくいですが、進行して象牙質や歯髄(歯の神経)が侵されると、冷たいものや甘いものがしみるだけでなく、ズキズキとした鋭い痛みが現れます。この痛みは、食事や会話、仕事など日常生活に支障をきたす原因となり、夜間に強くなることも多いため、睡眠不足にもつながります。
2. 歯の損失と噛み合わせの悪化
虫歯が進行して歯の神経にまで到達すると、歯が徐々に崩れていき、最終的には歯を失う可能性があります。一本の歯を失うと、それを支えていた周囲の歯にも影響が出ます。歯はお互いに支え合って噛む力を分散させる仕組みになっているため、失われた歯の周りの歯が傾いたり、噛み合わせがずれてしまったりすることがあるのです。噛み合わせが悪化すると、食べ物をしっかり噛むことが難しくなり、消化にも悪影響を与えかねません。
3. 口腔内の感染症リスク
虫歯が進行して歯の神経にまで達すると、細菌が増殖しやすい環境が整います。こうした細菌は歯の根にある組織まで広がり、根尖性歯周炎や歯周病といった口腔内感染症を引き起こします。これらの感染症は、歯茎の腫れや膿の発生を伴うことが多く、悪臭や痛みが生じるだけでなく、放置すると顎の骨が溶けてしまうこともあります。
4. 全身への健康リスク
虫歯が原因で口腔内に増殖した細菌は、血液を介して全身に回る可能性があります。特に注意が必要なのが、心臓や肺への影響です。口腔内の細菌が血流に乗って心臓に到達すると、心内膜炎と呼ばれる炎症を引き起こすことがあり、特に免疫力が低下している方や高齢者はそのリスクが高くなります。また、糖尿病や呼吸器系の疾患を抱えている方は、虫歯がきっかけで症状が悪化する場合もあります。
5. 治療費や治療期間の増大
虫歯を放置すると、進行するにつれて治療も複雑になり、治療にかかる費用や期間が増えてしまいます。初期の虫歯であれば、比較的簡単な処置で済むことが多いですが、進行した虫歯では神経の治療や、場合によっては抜歯が必要になります。抜歯を行うと、その後の入れ歯やインプラント、ブリッジといった補綴(ほてつ)治療が必要になり、これらの治療は時間も費用もかかります。定期的な歯科検診で早期発見し、早期治療を行うことが結果的に費用を抑えることにつながります。
まとめ
虫歯は放置すればするほど進行し、歯や口腔内だけでなく全身にもさまざまな悪影響を及ぼします。痛みがないからと放置せず、早めに歯科医院で治療を受けることが大切です。定期的な歯科検診と正しい歯磨き習慣を心がけ、虫歯を予防することで健康な歯を長く保ちましょう。
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