子どもの歯に白い点があるのはなぜ?乳歯にできる白い斑点の原因と対処法
投稿日:2025年5月26日
カテゴリ:小児歯科
▼目次
1. 子どもの歯にできる白い斑点の原因とは?
2. 子どもの歯にできる白い斑点の対処法
3. 子どもの歯にできる白い斑点の予防方法
4. 市川市 下総中山・本八幡の歯医者 下総中山アール歯科の小児歯科・小児矯正
子どもの歯をじっくり見たときに、「あれ?歯に白い点がある…」と気づいて不安になった経験はありませんか?乳歯にできる白い斑点は、見た目の違和感だけでなく、「むし歯なの?」「治療が必要?」と心配になる保護者の方も多いかもしれません。実は、これらの白い斑点にはいくつかの原因があり、早めに対処することで将来の歯の健康を守ることにもつながります。 今回は、子どもの歯に白い斑点ができる原因や対処法、さらに予防策について解説します。
1. 子どもの歯にできる白い斑点の原因とは?
子どもの乳歯に見られる白い斑点には、いくつかの原因が考えられます。その多くは病気ではなく自然な変化であることもありますが、放置しておくと将来的に問題を引き起こすケースもあるため、注意が必要です。以下に、子どもの歯にできる白い斑点の主な原因を解説します。
①初期むし歯(脱灰)
最もよくある原因の一つが「初期むし歯」です。これは、歯の表面のエナメル質が酸によって溶け始めた状態で、まだ穴があいていない段階のむし歯です。この段階では歯が白く濁ったように見えることがあり、「白斑」と呼ばれることもあります。
②エナメル質形成不全
歯の表面のエナメル質がうまく作られなかったことによって、白や黄白色の斑点ができることがあります。これは、妊娠中や乳児期の栄養状態、発熱や薬の影響などで歯の形成が一時的に障害を受けることで起こります。
③フッ素の過剰摂取(フッ素症)
フッ素は歯を強くする働きがありますが、過剰に摂取すると「フッ素症」と呼ばれる状態になり、歯に白い斑点が現れることがあります。特に、フッ素入りの歯みがき粉を過剰に摂取すると、リスクが高まる可能性があります。
④外傷や感染
乳歯の根元に衝撃を受けたり、歯の成長期に感染症にかかったりした場合も、後から生える歯に白い点が現れることがあります。これはエナメル質の発育に影響が出たことが原因です。
⑤栄養バランスの偏り
カルシウムやビタミンDの不足など、栄養の偏りによって歯の質が弱くなり、白い斑点が見られることがあります。
➅歯垢の蓄積や着色
実際には白い斑点ではなく、歯垢や歯石、食べ物の残りによる着色が白っぽく見えることもあります。しっかりとした歯みがき習慣で改善されることが多いです。 白い斑点の原因は多岐にわたりますが、いずれも早めに発見し、適切に対処することが将来の歯の健康を守るポイントとなります。
2. 子どもの歯にできる白い斑点の対処法
子どもの歯に白い斑点が見つかった場合、原因に応じた適切な対応が必要です。以下に、自宅でできるケアから歯科医院での治療まで、具体的な対処法を解説します。
①初期むし歯の場合の対応
初期のむし歯なら、フッ素入りの歯磨き粉を使って正しくブラッシングすることで、歯の再石灰化を促し、むし歯の進行を防ぐことが期待できます。歯医者では、定期的にフッ素を塗る処置が行われます。
②エナメル質形成不全の対応
エナメル質形成不全は、程度によって対応が異なります。軽度であれば経過観察となることもありますが、目立つ場合やむし歯のリスクが高い場合には、レジン(歯科用プラスチック)で補修するなどの処置が必要になることもあります。
③フッ素症の場合の対応
フッ素症で見られる白い斑点は、通常健康への重大な影響はほとんどありません。しかし、見た目が気になる場合は、表面研磨やレジン修復で目立たなくする方法が選択されることもあります。
④外傷や感染によるものの場合
歯の打撲や病気の影響で白い斑点ができた場合も、状況に応じて治療方針が変わります。必要に応じて歯の修復や経過観察を行うため、早めの歯科受診が推奨されます。
⑤家庭でのケア
いずれの原因であっても、自宅での歯磨きが不十分だと症状が悪化することがあります。保護者が仕上げ磨きを行い、歯医者で正しいブラッシング方法を指導してもらうことが大切です。
⑥歯医者の定期検診
白い斑点はそのまま放置せず、定期検診を受けることで、進行の有無やむし歯との関係をチェックできます。目視だけでは判断できないことも多いため、歯科医師による診察を受けることが重要です。 白い斑点を見つけたからといって過度に心配する必要はありませんが、原因に応じた適切な対応をとることが、将来の歯の健康を守る大きなステップになります。
3. 子どもの歯にできる白い斑点の予防方法
子どもの歯に白い斑点ができるのを予防するには、日々の習慣と環境作りが重要です。乳歯は永久歯に比べて柔らかくデリケートなため、わずかなきっかけで変化が起こることがあります。以下に、子どもの白い斑点を防ぐために意識すべきポイントを解説します。
①毎日の正しい歯磨き
最も基本的で重要なのが、日々の歯磨き習慣です。小さなお子さんの場合、自分だけで正しく磨くことは難しいため、必ず保護者による仕上げ磨きを習慣にしましょう。特に寝る前の歯磨きは、むし歯予防にとって非常に重要です。
➁フッ素の適切な使用
フッ素は歯を強くするために有効な成分ですが、使い方を誤るとフッ素症の原因になることもあります。フッ素入りの歯磨き粉は、年齢に応じた量を守って使用し、うがいの仕方もきちんと教えることが大切です。定期的に歯医者でのフッ素塗布を受けることも予防に役立ちます。
➂バランスの取れた食生活
歯の成長にはカルシウムやビタミンD、タンパク質などが欠かせません。食事が偏っていると、歯のエナメル質の形成が不十分になり、白い斑点ができる原因になることがあります。日々の食事において栄養バランスを意識し、甘いおやつの与えすぎにも注意しましょう。
④乳歯のケアにも気を配る
乳歯は「いずれ抜けるから」と軽視されがちですが、永久歯の健康にも大きな影響を与えることがあります。白い斑点が現れやすい時期でもあるため、乳歯だからといって油断せず、大切にケアする習慣を身につけましょう。
⑤歯医者での定期チェック
白い斑点は自宅でのケアだけでは完全に防ぎきれないこともあります。歯医者で定期検診を受けることで、予防のポイントを学んだり、問題が早期に発見できたりします。保護者自身が歯科受診の大切さを理解し、定期検診の習慣を作ってあげましょう。 予防には特別なことよりも、日々の小さな積み重ねが大切です。正しい知識を持つことで、子どもの歯をより良い状態で守ることができるでしょう。
4. 市川市 下総中山・本八幡の歯医者 下総中山アール歯科の小児歯科・小児矯正
千葉県市川市 下総中山・本八幡の歯医者 下総中山アール歯科では、発育段階にあるお子さんの将来を見据えた小児歯科・小児矯正治療を提供しています。
子どもの心身的な負担に配慮しながら、親御さんのお考えや子どもの成長、口腔内の状態を考慮した適切な治療法のご提案に努めています。
①乳歯(子どもの歯)・生え変わったばかりの永久歯(大人の歯)のむし歯予防
むし歯予防の基本はお家でのセルフケアです。お子さんご自身が正しい歯磨きが行えるようレクチャーを行います。また親御さんへ仕上げ磨きのコツや効果的な歯科用品のアドバイスを行っています。
子どもの歯自体をむし歯菌からバリアするためにフッ素塗布やシーラント充填(奥歯の溝を埋める処置)も行っています。
②正常な成長を促して歯並びを改善する小児の「顎顔面矯正」
顎顔面矯正とは、顎(あご)や顔面の骨格のバランスを整える治療のことです。一般的な歯列矯正が「歯をきれいに並べる」ことを目的とするのに対し、顎顔面矯正は「顎の成長や骨格全体の調和を改善する」ことを目的としています。
《顎顔面矯正の特徴》
1. 骨格レベルでの改善
上顎・下顎の位置や大きさのバランスを整える
歯並びだけでなく、顔の非対称や咬み合わせのズレを改善
2. 成長期の子どもを対象にすることが多い
成長を利用して骨格の発育をコントロールできる
早期治療(5~12歳ごろ)により、抜歯や外科手術のリスクを減らせる
3. 成人にも適応される
顎変形症などの場合は、外科手術(外科的矯正)と併用することが多い
成人矯正ではスプリントや外科矯正を組み合わせることもある
《具体的な治療方法》
・急速拡大装置(RPE):上顎を広げるための装置
・フェイシャルマスク:上顎の前方成長を促す
・機能的矯正装置:下顎の成長を誘導
《顎顔面矯正が適応されるケース》
・上顎または下顎が前後的にずれている(出っ歯・受け口)
・顎が狭く、歯が並ぶスペースがない
・顔の左右非対称が気になる
・咀嚼や発音に問題がある
《顎顔面矯正のメリット・デメリット》
◎メリット
・顔全体のバランスが整う
・抜歯を回避できる可能性が高い
・呼吸や発音の改善にもつながる
✖ デメリット
・成長期を過ぎると効果が限定的
・矯正期間が長くなる場合がある
・痛みや違和感を伴うことがある
顎顔面矯正は、特に成長期の子どもにとって有効な治療法ですが、成人でも適応できるケースがあります。患者さんの骨格や症状に応じた適切な治療計画が重要です。
③MFT(口腔筋機能療法)
口腔筋機能療法「MFT」(Oral Myofunctional Therapy)とは、食べる(咀嚼)時、飲む(嚥下)時、発音時、呼吸時の舌や口唇の位置の改善を目的とした各種トレーニングです。MFTを継続して行うことで口腔周囲の筋肉バランスを整え、癖を直すことができます。特に指しゃぶりと舌癖は、MFTでの症状改善が期待できます。
当院は小児口腔発達不全学会の認定資格の「口腔機能支援士(ORFS)」の歯科衛生士が在籍し、導入時の指導説明からアクティビティの指導まで正しい知識の元、子どもの発育をサポートしています。
《使用する装置》
プレオルソ矯正:1時間程のトレーニングと就寝時のマウスピース矯正装着で効果が期待できる、子どもにかける負担をなるべく抑えた治療法です
詳細は以下サイトページをご覧ください。
小児歯科・小児矯正
まとめ
子どもの歯に現れる白い斑点は、初期むし歯やエナメル質形成不全、フッ素の過剰摂取など、さまざまな要因が関係しています。多くの場合、早期発見と適切な対処で進行を防げる可能性があります。また、家庭でのケアと合わせて、歯医者で定期検診を受けることが予防にもつながります。 市川市 下総中山 本八幡周辺で、子どもの歯の白い斑点に関してお悩みの方は、下総中山アール歯科までお問い合わせください。
監修:下総中山アール歯科 院長 若林 孝宏
略歴
- 2007年 明海大学歯学部 卒業
- 神奈川歯科大学臨床研修
- 某県法人 勤務
- 某県法人チーフドクター
- 某県法人副院長
- 都内法人副院長
- 2018年 下総中山アール歯科 開業
所属学会・資格
- 日本歯科医師会
- 千葉県歯科医師会
- 市川市歯科医師会
- 日本顎咬合学会
- 日本口腔インプラント学会
- 日本歯周病学会
- 日本顎関節学会
- 日本顕微鏡学会
- 日本メタルフリー学会、他
- 歯科医師臨床研修 指導医
- 市川市立新井小学校 校医
- ペリソルブ・カリソルブ認定医
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